第3章 二口流対応策
「男子バレー部まだやってんのか?」
会話を割って入るように見回りの先生が体育館に来た。
「すんません、今帰るんで」
二口は先生にそう告げると全員で体育館を後にした。
「じゃあ二口、青根、華楓ちゃんまたね」
「あざした」
「また来るの前提なんですね…」
「(ペコッ)」
二口、青根、華楓は茂庭達と別れ歩き出した。
二口はいつも青根と通っている曲がり角で駅まで行くことを伝えると青根は頷きその場を後にした。
さてと…何から話そう…
二口は華楓と2人きりになり少しばかり戸惑っていた。
久しぶりだな、ってこの間言ったし…好きなものの話は好きなもの変わってるかもしれねぇし…てか無理矢理声かけようとしてるところがおかしいだろ俺!馴れ馴れしいだろ!
「…にろ?」
「はぁ…ん?」
「お疲れですか?」
「お疲れです」
なんだかんだ話が進む2人。
あれ?そういえば…
「華楓…」
「何?」
「そういえばさ、何でにろって呼ぶの?」
「何でって昔からそうだったし、今更二口ー!なんて呼ぶ方が違和感あるし…」
華楓と二口は幼稚園からの中。幼稚園の頃に漢字が読めなかった華楓は「ふたくち」をカタカナの「にろ」と読んだのが華楓が二口のことをにろと呼び出したきっかけである。それを思い出す華楓。
「懐かしいなぁ…」
「何が?」
「あたしとにろが出会ってもうそんなにたってるんだね…なんか懐かしいけどすっごく懐かしい!とか、嬉しいけどやばい超嬉しい!って感じはしない…なんでだろうね?」
えへっと笑いながら華楓は言った。
ドキッ