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日々草をたずさえて【青春×機関銃】

第3章 再会


「あれ?まだ説明してなかったの?てっきり正宗が言ってると思ったのに」

意外そうな顔をして花子が雪村を見る。

「この間、君の部屋に間違って投函されてた黒い手紙あったでしょ。あれが招待状。ある人物に認められたチームのみに与えられるんだ」
「あ、この前行った時に思ったけど、透はたまには郵便受け整理しなさい。郵便受けだけじゃなくて部屋の中も・・・」
「もー、花子は細かいこと言い過ぎ。生活出来てるんだからいいでしょ」

部屋の中まで知っているということは、雪村さんの部屋にも入ったことがあるのだろうか。
いやしかし、山田さんは松岡さんと雪村さんの幼馴染だし部屋の中に入るのは別におかしくはないか。
そう考えながら立花は二人の会話を聞いていた。

「もー、話戻すよ。試合は特別でチーム対抗で戦う。チームのメンバーが3人以上いることが第一条件。勝ち進んで一位になったチームは、百万円の賞金が出る」
「ひゃ・・・百万円!!?」
「基本的にサバゲーはお金が発生しないものなんだけどね。この大会だけは特別なのよ」

雪村と花子の話によると、賞金の他にも装備や色々な権限が手に入ること。
それを欲する人達による本気のプレイ。
したがって大会に出る人物はある程度の戦闘力やポテンシャルを兼ね備えた人達に限るということらしい。
確かにそんな大会に中途半端な実力の人物が出ても怪我や足を引っ張るだけなのだろう。

「日本中の選ばれた兵共が集まる大会。それに勝てば日本一も同然ってことさ」
「つまり松岡さんは一位になってお金とかが欲しいってことですよね・・・純粋にサバゲーを楽しんでいらっしゃると思ってたのに・・・」

ちょっとがっかりです、という立花の言葉に雪村と花子は複雑な表情を浮かべる。

「・・・いっそお金だけに執着してるような人間だったらよかったのに・・・」
「え?」

雪村が呟いた言葉は立花の耳には届かなかった。
わざと届かないように言ったのか、それは雪村本人にしか分からない。

「透・・・」
「お金のことは置いといてっ。今までとは比べものにならない強敵がたくさんいるよ!!君向きの大会だと思わない?ね?」
「はい・・・っ」

雪村の言葉に楽しそうな表情で答える立花。
複雑な表情を浮かべていた花子も、立花のその表情を見て笑顔がこぼれた。


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