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日々草をたずさえて【青春×機関銃】

第2章 出会い


「じゃあ立花君って呼ぶのももう変な感じだし、私も蛍って呼んでもいい?」
「はい!勿論です!」

立花が女だということは直接立花の口からお二人に伝えたいのです。という立花の言葉に、花子は賛同した。
その上で、松岡と雪村には彼らが自分達で気がつくか、立花が言うまで花子は立花が女だということは黙ってくれることになった。
蛍が女だって分かった後に正宗と透をいじるのが楽しそう、と笑顔で言った花子の姿を見てやはりこの人もあの二人の幼馴染なのだなと立花は実感した。

花子はトイ☆ガンガンには所属していないもののサポートとして時々同行することもあるらしい。

「そこまでサバゲーに関わっているのに、どうして山田さんはゲームに参加しないのですか?」

当然の疑問を投げかけると、初めて花子の顔にほんの少しだけ困惑の色が浮かんだ。
だがしかしそれも本当に一瞬で消え笑顔で答えた。

「私はサバゲーを楽しくやってる人達を見てた方が楽しかったしね」


花子と別れた後、立花はさっきの言葉を思い返していた。
楽しかったしね。
彼女は確かにそう言っていた。
楽しかった、ということは実際に自身もサバゲーをしたことがあるのだろう。
経験があるのに今はやっていない。
確かに合う合わないもあるのだろうし、一概に言うことは出来ないのだろうけれど言葉の前に見せた一瞬の困惑。
それが立花にはひっかかるものがあった。
何かあったのかもしれないが自分が立ち入るべきものではないのかもしれない。
そう考え、立花はあえて何も聞かずにいようと。
もし何か山田さんが困ることがあったら、その時は立花も全力でお助けしよう。
出会ってからまだそんなに時間は経っていないけれど、そう思える人物だった。


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