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日々草をたずさえて【青春×機関銃】

第2章 出会い


突然の花子の質問に立花は一瞬何を聞かれたのか分からなかった。
自分が女性だということはまだ花子には言っておらず、もちろん松岡や雪村は勘違いしたままなので二人から聞いたということもない。
つまり、月城荘で会った時、もしくは松岡から話を聞いた時点で立花のことを女性だと思っていたということになる。
よく男性に間違われる立花を話を聞いただけ、もしくは一目見ただけで女性だと思う人はそうそういない。

「た、確かに立花は女ですが、決して松岡さんや雪村さんを騙そうとしていたわけではなくてですね!」
「あー、うん。立花君がそういう子じゃないのは分かるよ。どうせ正宗と透が勝手に勘違いしちゃってるんでしょ?」

花子は頼んだケーキセットを口に運びながら、正宗はホストやってるんだから気がつかないなんてホスト失格よね。と続ける。

「正宗から話を聞いてる時は男の子だと思ってたんだけどね、実際会ってみたら女の子じゃないかなって思って」
「初対面の方で立花が女だと分かる人はなかなかいないのですよ」
「そう?可愛い女の子だと思うけどなー」

可愛いと言われることが殆どないからか、立花は花子のその言葉になんとも言えないむず痒さを覚えた。
実際女ではあるし、松岡や雪村に言わなくてはいけないことなのだけれど彼らに言った時二人は一体どんな反応をされるのか。
きっとあの二人はこんな反応はしないのだろうな、と立花は笑みがこぼれてしまう。
あの二人も随分と変わっているけれど、その幼馴染である山田花子という人物も変わっているのかもしれない。
そんなことを思いながら、この人ともっと仲良くなりたいと立花はそう願っていた。
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