第8章 覚悟
「で、なんで俺の部屋で焼き肉するのさ」
雪村が仁王立ちをしている。
立花を連れて入った部屋は、雪村の部屋だった。
「いやだからTGCお疲れパーティーしようかなって」
「まっつんの部屋でいいじゃん」
雪村のその言葉に松岡が即座に反応した。
「何言ってんだ!!俺の部屋でやったら臭いがつくだろ!!スーツとかにっ!」
「何その暴君!!俺はいいのかよっ」
つまり、最初から松岡は雪村の部屋で焼き肉をすることを決めていたのだ。
雪村が締め切り前ではないことを知っているからこそ、松岡も雪村の部屋で行なうことにしたのだろう。
「確かに焼き肉の臭いのするホストはちょっと嫌よね。あ、でも正宗なら面白くて良いんじゃない?」
「面白いってなんだよ!」
「ほら、花子もこう言ってるじゃん」
くすくすと笑いながら言う花子とそんな花子に怒る松岡。
そして花子に同意している雪村。
そんな三人を見ながら立花は部屋へと歩みを進める。
いや、歩みを進めようとした、が正しい。
部屋に入ろうとした立花の足に何かがぶつかった。
よく部屋の中を見渡すと、色々なものが散乱していた。
中には立花が見てはいけないものまで放置されている。