第6章 開幕
「ただいま」
「あ、まっつん、花子。おかえりー」
松岡と花子が戻ってくると、立花が着替えを済ませていた。
そして、立花は緑と松岡のことを目の当たりにして困惑なのか動揺なのか俯き加減で立っていた。
最初会場についた時にTGCの空気に圧倒されていた立花ではあったが、その後の出来事によって空気感は気にしなくなっていた。
「行ってくるな」
TGCトーナメントのくじ引きを行なうため、松岡は会場中央に向かう。
「立花君・・・さっきは八つ当たりして・・・ごめん・・・」
「え・・・いえっ!!全然・・・」
花子が松岡の所に行っていた間、立花と雪村の間でどんな会話があったのかは分からないがどうやらあまり穏やかな会話ではなかったようだ。
雪村と立花の会話からそれがはっきりと分かる。
「わかってるよ。このままじゃまたあいつらに負けちゃう・・・」
「だ、大丈夫です雪村さん!!確かに立花は仇討ちの相手が緑さんだと知って動揺しました!!」
立花にとっての緑は優しい印象しかない。
立花に銃をすすめてくれたのも、TGCの空気に負けそうになっていた時に現れたのも緑なのだ。
「でもあの人がTGCに参加していると知った時点で、倒すべき敵に変わりない・・・」
「蛍・・・」
「相手が誰であろうと全力で挑むのみです!!」
「うん・・ありがとう」