第6章 開幕
「俺達受付行ってくるから。お前着替えて待ってろ」
「私も挨拶しに行かないといけないから先に行くけど、あんまり緊張しなくて大丈夫よ、蛍」
「え、あ、ちょっ」
立花を一人、殺気の中に置いて離れる三人。
「・・・おいてっちゃっていいの?あんな所に」
「ああ。あいつには少しでもこの場の空気になれてもらわねぇと。戦いになったらこんなもんじゃねぇんだからよ」
「蛍ならすぐなれると思うけどね」
今はTGC特有の空気に圧倒されてはいるが、それも最初のうちだけだと花子は思っている。
松岡もそう思っているからこそ、立花を一人にしたのだろう。
「じゃあ私は亀梨さんの所に挨拶行くからまた後でね」
「おう」
前もって連絡はしてあったが、やはり直接挨拶をするのが社会人としてのマナーだと花子は考えている。
TGCの特性上関係の無い人物が来ること自体特例に近いのだろう。
そのような特殊な例だからこそ有名になったという理由もある。
初めてではないため、花子は立花が圧倒されているこの空気にもなれている。
初めて来た時こそ殺気を向けられたが、花子にとってはそんな殺気より怖い空気を知っていたため今回の立花ほど圧倒されることもなかった。
「早く行かないと亀梨さんの開幕の挨拶始まっちゃう」