第2章 出会い
「ところで、立花君はこれから暇?」
「え、あ、まぁ予定はありませんが・・・」
「よっし、じゃあお姉さんとデートしよっか!」
「は?」
「え?」
突然の言葉に松岡と立花の言葉が重なる。
いきなり初対面の女性にデートを申し込まれるのは、流石の立花も初めての体験である。
「いきなり何言ってるんだ!大体花子は俺に荷物届けに来ただけだろ!?それが何でいきなり蛍とデートになるんだ!」
「トイ☆ガンガンの新しいメンバーなんだし、友好を深めておくのも良いと思うのよね。それに立花君に聞きたいこともあるし」
「蛍!断ってもいいんだぞ!花子に付き合う必要はないんだからな!」
「別にいいですよ」
特に断る必要もない。
松岡さんの幼馴染ということは、悪い人ではなさそうだし。
と、立花は二つ返事をする。
その返事を聞いて二人は全く逆の反応をしている。
山田花子は満面の笑み。
松岡正宗は困惑と焦り。
「じゃ、正宗。頼まれてたものは渡したし、私はこれから立花君とデートするから邪魔しないでよね」
そう言って花子が持っていた荷物を松岡に押し付け部屋の中に押し込む。
押されながらも松岡が何か言っていたようだったが、ドアを閉められ最後までその言葉を聞く事は出来なかった。
「さて、うるさい正宗は放っておいてデートに行きましょうか。私のおすすめの場所でいい?」
「はい。山田さんにお任せします」