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日々草をたずさえて【青春×機関銃】

第2章 出会い


「ちょっと正宗ー!頼まれたもの持って来たんだからさっさと開けなさいよー!」
「・・・ん?こんな時間に松岡さんに来客?」

とある日の夕方。
学校から帰宅した立花蛍は、松岡正宗の住む隣りの203号室のインターホンを鳴らしている女性に気がついた。
月城荘に越して来てから、隣人に来客が尋ねてくるのを目の当たりにするのは初めてである。
そもそもホストをしているという彼に、夕方来客がくるのは珍しいことでもある。
普通ならば出勤していて留守にしているからだ。
もしかすると今日も既に出勤していていないのかもしれない。
そう立花蛍は考え、その女性に声をかけた。

「あ、あの。もしかすると松岡さんは既にお仕事に行かれていていらっしゃらないのではないかと・・・」

声をかけられた女性が振り向く。
はっきりとした顔立ちで、俗に美人と呼ばれる容姿であるように思う。
明るめのブラウンのミディアムロング。
身長は自分より少し低め、160cmくらいなのではないだろうか。
自分と違って女性らしい女性である。
立花蛍はその女性についてそう感じた。

「あら?あなた、もしかして・・・」
「悪ぃ悪ぃ。ちょっと火を使ってたからさ。お、蛍じゃないか。学校帰りか?」

女性が何か言いかけた時、203号室の扉が開き中から松岡正宗が顔を出した。
そして立花蛍にも気がつく。
はい、と返事をしてからふとこの女性とどういう関係なのか気になった。
ホストと客、という関係にしては親密すぎる。
だが、恋人のようにも思えない。

「やっぱりこの子が例の三人目?えっと、立花蛍・・・君?」
「あ、はい。立花蛍と申します。松岡さんにはトイ☆ガンガンでお世話になってます」
「私は山田花子。正宗とは幼馴染で、君のことは正宗から聞いてたの」

ちなみに私はトイ☆ガンガンには入ってないのよ、サバゲーはやってないから。と続ける。
成程、幼馴染。
そう言われれば関係性がよく分かる。
きっと山田さんの方が松岡さんより立場が強いのだろう。
立花蛍はそう思った。

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