第5章 戦闘訓練
「もー、立花君も何か言ってやってよ」
「・・・」
「・・・立花君?」
「え、あっはいっすみませんっ」
何か思う事でもあるのか、立花は走り込みから戻ってきてずっと浮かない表情をしていた。
定例会に参加した時の松岡との衝突の時とは違った浮かない表情だ。
「ボーっとしてどうしたの。疲れちゃった?」
「体調でも悪い?体調悪いなら無理して正宗達に付き合わなくて大丈夫よ?」
心配した雪村と花子は立花に声をかけると、立花は二人が想像していなかった言葉を返してきた。
「いえ・・・立花毎朝この三倍走り込みしてるので特になんとも・・・あれ、雪村さんどうしたんですかその汗?暑いんですか?」
「体力馬鹿がここにもいやがる・・・あーやだやだ」
「蛍って本当に運動に特化してるわよね・・・」
松岡もホストの割には体力がある方だが、立花はそれ以上の体力の持ち主なのだろう。
確かに今までのサバゲーでの動きを考えると、それも当然なのだろう。
雪村は基本的に部屋から出ない仕事であると共に、昔からそこまで体力がないので二人の体力自慢にはついていけない。
「体力余ってんなら蛍とゆっきーで組んでくれ。負けた方が罰ゲームで今日の夕食作るぞ!!」
「二対一?まっつん不利じゃない?」
「というか私呼ばれた理由がちょっと分からないんだけど?私いる必要ある?」
ゲームも二対一でやる。
特に花子がいなくても問題なさそうな戦闘訓練である。
「花子は上から審判してくれ。ついでに俺とのチームな」
「え?ゲームもしないのに正宗と組むの?それ正宗負けたら私何もしてないのに罰ゲームってこと?」
ゲームに参加するわけではないのに罰ゲームが発生するのは負に落ちない花子が松岡に言い寄ると、それを予想していたように言葉を返してきた。
「二人とは鍛え方が違うから大丈夫だって。特にゆっきー。ちょっと走ったくらいでへばるとか情けねぇ。そんなんじゃ戦力にならねぇぞ。ハンデだよハンデ」