第4章 交流会
「まー、ドットサイトつけても当てられないお前なんか、どんな銃使っても宝の持ち腐れだな」
「な・・・っ」
ドットサイトは光学照準器であり、ガラス面に投影されら赤い点と標的を合わせるだけなので、素早く正確に照準することができる。
つまり初心者でも当てやすくなる装備なのだ。
それを使っても立花の射撃精度は松岡の言う通り随分と酷いものである。
「もういい加減わかったろ。次のゲームから黙って俺の指示に従いな」
松岡のその言葉に立花が困惑する。
「・・・え?そ、それってどういう・・・」
「あ?言葉のままだよ。チームプレイは大事だろ」
「で、でも・・・」
「今まで一人で突っ込んで何か成果があったか?ねぇだろ。お前は何もわかってないド素人なんだからよ。とりあえず指示に従えって言ってんの」
花子は一瞬松岡に目線を向けたが、すぐに立花に視線を戻した。
松岡の言葉を聞いた立花がほんの少し目を見開いたからだ。
確かに普通の人でもいきなり指示に従えと言われれば動揺するだろう。
しかし、立花がトイ☆ガンガンの『数合わせのメンバー』という他者の声をもし聞いているのであれば尚更である。
「ま、待ってください・・・サバゲーにはもちろんそういったチームプレイもあると思います。でも一人一人が自由に動けるものじゃないですか立花も頑張れば・・・」
「わっかんねぇかなぁ。お前ごときが一人で戦えるとか、思い上がってんじゃねぇよ」
「正宗、それは言い過ぎなんじゃない?」
今まであまり口を挟まないようにしていた花子だったが、流石に言い過ぎだと感じ松岡に強めに声をかける。
松岡との付き合いが長いからこそ、花子にとってその言葉がどうしても我慢出来なかった。