第4章 交流会
「・・・ちょっと運動神経とか勘がいいから、変に自分に自信持っちゃってるっていうか・・・雑なんだよ君」
雪村の言う通り、立花は運動神経が良いからこそ動けてしまうのが欠点になっている。
動けなければ好き勝手に移動することも出来ず、不用意にヒットになることもない。
「そんなんでTGC勝てるとか思わないでよ、素人君」
「・・・うっ」
「まぁまぁ。蛍だってちょっと気合いが空回りしちゃっただけなんだろうし・・・」
花子もフォローするものの、やはり立花の動きには荒さが目立つのは分かっていた。
それ故にあまり強く言うことも出来ずにいた。
「はい・・・立花は五嶋さんとの初陣で活躍したかっただけなのに・・・」
「ゴトウさん?誰?」
「何言ってるんですか!!G3の五嶋さんです!立花と五嶋さんで一騎当千・・」
「ぶっ」
「・・・えっ」
笑いが耐え切れなかったのか、松岡が笑いだす。
立花の中では、
G3からGさん、ごとうさん、そして五嶋さんに至った経緯がある。
Gさんからごとうさんになる辺りが松岡と似たネーミングセンスの持ち主なのかもしれない。
「ちょ・・・G3だから五嶋さんって・・・」
「ダッサーッ!!!お前どんなネーミングセンスだよそれ!!!」
「笑いすぎだろ!」
「ネーミングセンスに関して松岡さんに言われたくないですよ!!」
「なんだとゴラッ」
「どっちもどっちだよ」
「えぇ、どっちもどっちね」
ネーミングセンスについて言い合う松岡と立花を見て、雪村と花子は呆れていた。
二人からしてみれば、つぶあんやこしあんとつける人と、五嶋さんとつける人はそう変わらない。
五十歩百歩。
団栗の背比べ。
つまり、どちらもネーミングセンスがないのである。