第3章 再会
「銃ゲットしましたーっ」
花子が緑と別れ店に戻ってくると、丁度立花が戻ってきた所だった。
店長も一緒にドアから出てきたということは、例のあのテストをしていたのだと察した。
「おめでとう立花君。さすが!!」
「おおっ雪村さんに山田さん!!来ていたのですね」
「ごめんね、遅くなっちゃって」
雪村がお祝いの品、と言って買ってきたゲームの入った袋を一つ差し出していた。
袋が二つあることには気がついていたが、保存用か何かで自分用だと思っていたがこういうことだったようだ。
しかし立花が受け取ることは絶対にないため、この二つ目の袋は一体どうするのだろうかと花子は疑問に思った。
「・・・ん?あいつ帰ったのか?」
「ああっそうです。お礼を言いそびれてしまいました・・・!雪村さんか山田さん見ませんでしたか?凄く優しそうな方なんですけど・・・」
「・・・そんな奴いなかったよ。すっげーいけすかない奴ならいたけどね」
「まぁまぁ。透、落ち着いて」
雪村はこう言ってはいるが、立花の言う優しそうな方というのはきっと緑のことなのだろう。
緑永将という人物を知らない人には彼は優しい人という姿で映る。
「はい店長。テスト代の千円」
「え!?千円は銃入手のテスト代だったのですか・・・」
「他の人に言っちゃダメだよ」
一部の人しか知らない秘密ルール。
それが今回立花が行なったテスト。
「まっつんは最初からそのテストで君に銃を手に入れてもらうつもりだったんだね」
「そのせいでいつも店長には迷惑かけてるっていうのにね。正宗には後でしっかり言っておきますね、店長」
一部しか知らないとはいえ、テスト代の千円だけで銃が手に入るというものは店側にとっては大きな損失なのである。
元々それなりの値段をするものを千円で渡すのだから。
「でもさ、楽しかったでしょ?」
「はいっ」
満面の笑顔で返事をする立花。
その顔を見た花子は、松岡にあまりきつく言わないでおこうかとも思ってしまう。
「あれ?MP5じゃないね。君ならあれ選ぶと思ったのに・・・」
「あっはい。緑さんという方が薦めてくださって・・・すごい使いやすくてびっくりしました」
やはり。
立花の言っていた人物は緑永将本人だった。
「・・・やっぱ大嫌いだ・・・あいつ・・・」
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