第3章 再会
封をあけ一番最初に緑が手にしたものに、緑の動きが止まった。
手には『約束されたドMの鞭』と書かれた袋。
察するに初回特典のグッズの一部なのだろう。
「うん、ごめん。返すわ・・・」
「このケダモノー!!」
「だからあけちゃダメですって言ったのに・・・」
雪村が緑の手から『約束されたドMの鞭』と共に他のものが入っている袋を奪い返す。
花子としては全部の封が開けられなくて安心していた。
どう考えても見てはいけないものがあるはずだ。
「そういえば新メンバー見つかった?だって二人じゃまた出れないでしょ?」
「参加条件は一チーム三人以上いること。だから前回いなかったんだよね。さみしかったなー」
花子はもうサバゲーやらないんだし。
と、花子を横目で見ながら雪村に尋ねる。
「・・・白々しい。お前のせいだろ。だから俺達はまた二人に・・・」
「えっそうなの?俺達間違ったことはしてないよ?人聞きの悪いっ」
「TGCは真っ直ぐで素直な人間には向かないってだけさ」
間違っていない。
TGCを知っているものであればそう思うのだろう。
真っ直ぐで素直な人間であればあるほど、TGCというものに『食われる』だろう。
参加したことはないが、実際に第三者としてTGCを目にしたことのある花子にとってもTGCはそう映っている。
そして、それがきっかけで去っていってしまった人達を知っている。
「日本一の称号は俺達にとって最高の名誉で価値がある。でもまっつんは違う・・・『日本一』なんてただの名目。まっつんの真の目的は、アンタら全員ブッ倒すことだ」