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日々草をたずさえて【青春×機関銃】

第3章 再会


「あれ?花子じゃないか。久しぶりだねー」
「数日前に院内で会ったばっかりじゃないですか」

声をかけた花子を見て、雪村を押さえながら緑が笑顔で答える。

「・・・いつまで押さえつけてんだよ」
「あ、ごめんごめん。でもこれ正当防衛だからね」
「二人ともここお店なんだから少しは考えて行動してくださいね」
「酷いなー。俺は自分の身を守っただけだよ?」

やはり立花から離れなければ良かった、と花子は二人の態度を見て思った。
緑はさほど気にしていない様子だが、雪村は違っていた。
どうみても緑に対してとても強い敵対心を持っている。
過去のことを考えると当然なのは分かってはいるが、第三者がいつこの店に入ってくるか分からない手前どうにかして先程のような事態にならないようにしなくてはいけない。

「・・・アンタに言っとく。まっつんはお前のじゃないからな!!!この勘違いヤローッ!」
「透、言うべき所はそこじゃないと思う」

拘束を解かれた雪村は緑に向かって言い放った。
また何かしでかすのかと思ったが、どうやら実力行使に出るつもりはないらしく花子は安心した。

「相変わらず気持ち悪いなー。でもそんな口利いてると、君が買ってきたこの新作ゲームあけちゃうよー」
「!!?」

傍らに置いてあった雪村の荷物を容赦なくあけ始める緑。
手に持った袋には、雪村と別れた時に見たポスターと同じイラストが書かれている。
間違いなく、例のあのゲームだ。

「あっ、永将さん!それはあけちゃダメです!!」
「花子までそんなこと言うと逆にあけたくなっちゃうなー。ほらほらー、封を切っちゃうよ~」
「や、やだ、やめ・・・っ」
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