第1章 平凡の中で
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とまあ、こんなことがあってから、神楽ちゃんが「チキチキ―!みーちゃん銀ちゃんくっつけよう作戦~!!!」なんてことを言いだして…。
さすがに、いきなり、その、で、で、で、ででえととか…そんなの、早すぎるって言ったら、神楽ちゃんったら
「じゃあ、二人に直接聞いてみるネ。お互い、好き好き同士なんだったら、ちょうどいいアルヨ!!」
…って言うから…、はあ…。
いやまあ、なんだかんだ、僕も緑さんと銀さんがつき、つき、つ、付き合うのは、全然いいと思ってる。むしろ、大賛成だ。
それに、僕だって前々から緑さんと銀さんが、どうしてあそこまで仲がいいのか気になっていた。
というか、仲が良すぎる。
なんていうか、桂さんに対しての二人の態度と、お互いにしている態度…、雰囲気が違う…みたいな、なんか。
まあ、それはいいんだよね、うん。
問題は、いつ、どうやってこの白髪天パに問いただすか、だ。
うーん、どうしよう…。
「……ち、………ぱち。」
行って帰ってくるだけだしなあ…。
「…ぱちくうん、……ぱーーち!」
途中で公園に寄るとか。
「…んぱち!!!…てんのか!!!!」
あ、それいいかも。それから、
「いい加減に気づけやアアアア!!!!!!」
「わああああああああああ!!!!!!」
耳元で思いっきり叫ばれたので、耳がキンキンしている。
「ちょ、ひどくないですか?!なにも、そんな大声ださなくても!」
「なんっかいも呼んでんのに、気づかねえお前が悪い!!」
確かにその通りだなと思い、耳に手を当てるのをやめ、銀さんのほうにちゃんとむいた。
「…で、いきなりなんなんですか。」
「なんなんですかって、お前さあ…。」
呆れたようにため息をつき、銀さんは自分の後ろのほうをゆっくり指さした。
「スーパー、とっくに通り過ぎてんぞ。」
「……あ。」