第1章 平凡の中で
朝ごはんを机の上に並べて、食べ始める。
「「「「いただきまーす!」」」」
「ワンっ!!」
四人と一匹での食事。
うん、今日もおいしい!!
私はにこにこしながらおかずに手を伸ばす。
…すると、急に顔を左に向けられた。
手で。
「…何?銀時。」
銀時は私の顔をじーーっとみつめる。
「…なによ。」
「……朝の具合はどーですか。」
…ああ、体調のこと?
「ん。全然大丈夫。…ってか、本当に最近は大丈夫なんだって!信じてよ!!」
「いーや、体調悪いといつもなんも言わねえからな。駄目だ。」
ぐっ……。
確かに、いつもの頭痛がきたときは、あんまり人には言わない。
言ったところで痛みが変わるわけじゃないし、相手が気をつかうだけじゃないか。
だから、絶対に言わないし、言えない。
「……本当に、最近はバリバリ元気よ。薬も飲んでるし。」
「お前、まさか言うのが迷惑になるだとか、思ってねえだろーな。」
ぐはっ!!!
急所を的確についてくる銀時。
「……図星みてえだな。んなことあるわけねえだろ?そんなこと言ってまた、道端で雨の中倒れられたりしても、今度は真選組じゃねえかもしんねえ。危険極まりないから、報告しろって言ってるだけだ。」
向かい側にいる新八と神楽も、うなずいている。
「…体調悪い時はおとなしく布団にいるわよ。」
「あんだと~?お前、この間は抜け出して、別の依頼しに行ってたじゃねーか。置手紙もなしに。」
「あれは…、夜中だったし、それに家計が……、火の車だったし…。」
半分、銀時の責任にしておいた。
銀時もちょっと気づいた顔をした。
「…金がなくて安全なのと、金があって危険、どっちが幸せかっていったら、迷いもなく人は「金があって危険」を選ぶだろ。だけどな
…周りは金で決まらねえだろ。」
そう言って、私の頭をくしゃっと撫でた。
「お前がもし、またあんなふうに捕まったら、今度こそ俺、立ち直れねえから、勘弁してくれや。」
困った顔で、はにかんでいた。