第2章 桜色に染まって
~緑SIDE~
朝。
今日も、変な夢を見て目が覚めた。
暗い暗い四角い空間の中にいる私。
何も見えないし、何も聞こえないのに、何かをずっと探している。
…自分の顔が、近くから見えるのだ。
あれは、誰だったのだろう。
私によく似た、別人だった。
その人は、いや、その子は少女だった。
黒い髪、黒い眼。
典型的な人間だった。
顔は、私と似ている。
でも、雰囲気がまるで違う。
その子は、四角い空間すべてに殺気を充満させている、獣みたいだった。
どうして、そんな夢を見たのかはわからない。
その少女のことを考えながら一人、シャワーを浴び、コーヒーをいれ、ソファーに座る。
「みーちゃん、オハヨー!!」
神楽が、押し入れから飛び出てくる。
「おはよう、神楽。」
私は、いつもどおり、ニコリと笑って、返事をした。
「今日の朝ごはん誰アルか~?」
「今日は新八よ。」
「そっかー」と言いながら、洗面所へ向かった神楽。
まだ寝ぼけているのか、足はふらふらである。
(あの夢のことは、ひとまず忘れるべきね。)
みんなに心配はかけたくない。
ただでさえも、朝は銀時の過保護タイムがあるのだ。
他にもあったら、さすがにうんざりしてしまう。
こうして、一日が始まった。
―――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
~山崎SIDE~
ハイ、こちら山崎。
えへへ、うれしいなあ。
真選組のトップバッターが、俺だなんて。
え?今俺は何をしているのかって?
今はいつもどおり張り込みをしているんだ(万事屋の旦那の)
なんでこんなことしてるのか、よくわからなくなってくるけど、頑張るぞー!!!
たまさんのために!!!!!!
「おめえは一生モブキャラでいろ!!!!チェリーボーイ!!!!!!!」
副長の声が響いたかと思うと、俺の視界は真っ黒になった。