• テキストサイズ

美しき黄色な日常

第2章 桜色に染まって


―――――――――――――――――――
夜。

夕食を終えた僕達は、それぞれ寝る準備に移った。

僕は、帰る準備をしているところだ。

すると、神楽ちゃんがやってくる。

「おい、眼鏡。」
「眼鏡じゃないよ…。」

そう言いながら、振り向く僕。

「銀ちゃん、どうだったアルか?」

神楽ちゃんはしゃがみこみ、僕の隣にぴったりとくっついてから、小声で話しかけてきた。

「どうだった…と言われれば……。」

結果としては、銀さんは緑さんのことが「好き」だということになった。

でも、決して、望んでいた解答ではなかったのだ。

それをどう伝えようか悩んだ末に、ひとまず別の話題に切り替えることにした。

「緑さんは、どうだったの?」
「みーちゃんアルか?」

神楽ちゃんも、少し困った顔をした。

「レンアイカンジョウがわからないから、答えられないって言われたネ。」
「へえー…、なるほど…。」

思わず、そうきたかと感心してしまった。

いや、感心するところなんてどこにもないんだけど、なんとなく、緑さんらしいな、と。

「銀ちゃんはどうだったアルか!」

口をへの字に曲げて、むすっとする神楽ちゃん。

仕方ない、うまく伝えれるかわからないけど、自分の思った旨を伝えてみよう。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ううー…。」

全て話し終えると、考え込んでしまった神楽ちゃん。

そりゃそうだよね、僕もどうしたらいいかわからなかったし。

「銀ちゃんは…なんでそんなこと言ったアルか…?」
「それは……僕にも…わからないよ。」

銀さんは、何を思い悩んでいるのだろうか。

それを話してはくれないのだろうか。

「…とりあえず、様子、見てみようよ。何か、わかることがあるかもしれないし。」
「……そうアルナ。」

とにかく、僕が今日すべきこと。

姉上より、先に帰ることだ。
/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp