第2章 桜色に染まって
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夜。
夕食を終えた僕達は、それぞれ寝る準備に移った。
僕は、帰る準備をしているところだ。
すると、神楽ちゃんがやってくる。
「おい、眼鏡。」
「眼鏡じゃないよ…。」
そう言いながら、振り向く僕。
「銀ちゃん、どうだったアルか?」
神楽ちゃんはしゃがみこみ、僕の隣にぴったりとくっついてから、小声で話しかけてきた。
「どうだった…と言われれば……。」
結果としては、銀さんは緑さんのことが「好き」だということになった。
でも、決して、望んでいた解答ではなかったのだ。
それをどう伝えようか悩んだ末に、ひとまず別の話題に切り替えることにした。
「緑さんは、どうだったの?」
「みーちゃんアルか?」
神楽ちゃんも、少し困った顔をした。
「レンアイカンジョウがわからないから、答えられないって言われたネ。」
「へえー…、なるほど…。」
思わず、そうきたかと感心してしまった。
いや、感心するところなんてどこにもないんだけど、なんとなく、緑さんらしいな、と。
「銀ちゃんはどうだったアルか!」
口をへの字に曲げて、むすっとする神楽ちゃん。
仕方ない、うまく伝えれるかわからないけど、自分の思った旨を伝えてみよう。
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「ううー…。」
全て話し終えると、考え込んでしまった神楽ちゃん。
そりゃそうだよね、僕もどうしたらいいかわからなかったし。
「銀ちゃんは…なんでそんなこと言ったアルか…?」
「それは……僕にも…わからないよ。」
銀さんは、何を思い悩んでいるのだろうか。
それを話してはくれないのだろうか。
「…とりあえず、様子、見てみようよ。何か、わかることがあるかもしれないし。」
「……そうアルナ。」
とにかく、僕が今日すべきこと。
姉上より、先に帰ることだ。