第2章 桜色に染まって
結局のところ、僕は二袋だけ持つことを許された。
どうしてそんなに袋を持ちたがっていたのかと聞くと
「お前がひ弱だから。」
と返ってきた。余計なお世話だ。
のんびりぶらぶら歩く帰り道。
僕は、神楽ちゃんの作戦にのらなくてはいけない。
いつのタイミングで話をきりだせばいいか、よくわからなかった。
でも、まだ時間はある、聞けるチャンスはある。
このままうだうだしてるより、勇気をだして聞くのが大事だ!
僕は、肺にたくさんの空気を入れ、銀さんに話を切り出した。
「あの!!!銀さん!!!」
銀さんは僕のほうを向く。
「ん?なに??」
「実は、聞きたいことがあって…。」
少し、怪訝な顔をされた。よし、話を続けよう。
「聞きたいことだァ?」
「絶対に、絶対に答えてくださいね??」
「お…おう。」
よし。いくぞ新八!腹をくくれ!!
「銀さんは!!緑さんのこと!!好きなんですか?!!」
しまったアアアアアアアア!!!思いっきり大声で言ってしまったアアアアア!!!!!
周りの人たちが変な顔でこっちを見てるよ!!ヤバい!これはヤバい!!!
「…………………。」
銀さんは目を見開いていた。
…だんだんと、顔が赤くなっていく。
あれ?これはもしかして?
「っ…!!!お前さっ!!!!」
口元を手の甲で隠す銀さん。
すごく顔が赤いのが、よくわかる。
「んなでけえ声で言ってんじゃねえよ!!!あーもう、ちょっとこっちこい!!」
そう言って、僕の手を引く銀さん。
その先は、公園だった。
公園のベンチに腰掛け、改めて銀さんのほうを見る。
頭を抱えて座っている銀さん。
……やっぱりこれ、聞かないほうが、よかったんじゃ…。
「…なんか、すみません。」
「いや…、……ふはーーーッ…。」
盛大なため息を吐かれた。
公園には誰もいない。
風がビューっと僕らの間を通り抜けた。