第2章 桜色に染まって
「うーん…。」
みーちゃんは、一瞬考えたが、すぐに答えた。
「私、恋をしたことがないから、どういうものなのかわからないの。愛情との違いが…わからないから。」
困ったように笑うみーちゃん。
確かに、みーちゃんや銀ちゃんが戦っていた時代は、恋なんてそんなのろけたこと、できるはずもなかっただろうな。
「だから、銀時に恋してるのか、と言われたら……何にも言えない。もう一度言うけど、私にとって銀時は、兄貴だから。」
そう言ってみーちゃんは、残りのお茶を全て飲み干した。
~新八SIDE~
「これで、全部ですかね!」
僕は、たくさんの食材が入った袋を、最終確認していた。
「あー、そうなんじゃね?」
相変わらず、適当に答える銀さん。
「もう、しっかり見てくださいよ…。」
「一週間分の食料なんて一気に買ったら、わからなくなるだろーが。適当でいいんだよ、んなのは。」
「お金があるうちに、食糧を買い込んでおきたかったんですよ!…どうせあんた、全部パチンコに使う気だっただろうし。」
じっと銀さんの目を見ると、少し焦ったように目をそらした銀さん。
僕が少しため息をつくと、銀さんは僕に手を差し出してきた。
「……なんですか?」
「貸せ。袋。」
僕は一袋だけ差し出した。
「どうぞ。」
「全部貸せよ全部。」
「え?!でも…。」
袋は全部で六袋。
一週間分なんてせいぜい二袋のはずだけど、うちにはよく食べる育ちざかりがいるので、そういうわけにはいかないのだ。
「さすがに、全ては持たせたくありませんよ。僕は女の子じゃないんですよ?!」
「うるせえな、いいから貸せってんだ。」
そういうと無理矢理全ての袋を持っていかれてしまった。
「あー!もう、銀さん!!」
僕はあわてて、銀さんを追いかけた。