第2章 桜色に染まって
「…どうって…、……え?」
みーちゃんはほんの少しとまどっているように感じる。
いつもの大きくて、綺麗な眼を、これ以上ないくらいに開いた。
「はあ~…、みーちゃんってどこまでも鈍感アルナ~…。」
私は盛大にため息をつき、また一口、お茶を飲んだ。
苦みが少し口の中に広がる。
それがまた、何とも言えないお茶のおいしさを引き出してくれている。
「……そうねえ…。」
みーちゃんも一呼吸おいて、お茶を注ぎなおす。
「銀時は…、なんていうかその…。……兄貴…みたいなものだから…ねえ…。」
少し、遠くのほうを見ているような目つきで、そうつぶやいたみーちゃん。
淹れたお茶に手を付けずに、私のほうへ向きなおり、また口を開いた。
「だから、銀時をどう想ってるか…と聞かれると、悩んじゃうというか、なんというか…。」
「めんどくさいアル。はっきりするネ!」
私は、立ち上がり、みーちゃんの眼をしっかりとみつめた。
「みーちゃんは、銀ちゃんのこと、好きアルか?!」
その後に「もちろん恋愛的にネ!」と、付け足しておいた。
みーちゃんの顔が、みるみるうちに紅く染まっていく。
あ、これは、もしかして。
「そ、そ、そ、そんっな!!いやいやそんっな!!わた、わたわた私は!!だ、だ、だ、断じて、ぎんぎんぎ「動揺し過ぎネ。」
もう、結果、見えちゃったアル。
つまり、みーちゃんは銀ちゃんに対して、『兄としても好きで、友達としても好きで、恋愛的にも好き』と思ってるということだろう。
さすが私。自分で自分を褒めてやりたいネ。
「……もう完敗ね…。ええそうよ、私は多分、銀時のこと、好きよ。」
ん?多分?
私はふと、この言葉を疑問に思った。
「多分って、どういうことネ。」