第2章 ハンター試験
周りから人の叫び声が聞こえる。霧は深くて視界が悪い。
「クラピカ、頭蔦あるから。レオリオ頭にヒル付いてる。」
「なっ!!」
「すごいな。この霧でよく良くわかる」
「私耳も鼻も効くからさー。あ、草原に出るから足場ちょっとましになるかも。」
「そうか。よかった。だが、こうも霧が深くては試験官の場所が………」
「大丈夫分かるよ。サトツさんの足音独特的だもん。ゴンたちが一番サトツさんに近いみたい。」
「…………すごいな。」
「ふふん。分かったらさっきのやつを全部私に捧げるのだ。」
「馬鹿!あれは医療用だっちゅーの!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
人の叫び声が辺りを木霊した。それとともに鋭い音も聞こえる。
「な、なんだ!?」
「ひ、ヒソカが暴れだしたぞ!!」
「嘘だろおい!うわっ!!」
私はレオリオに飛んできた物を反射的に払った。
「レオリオ、クラピカ急ご。走るよ」
「お、おう!」
私は神経を尖らせて走り出した。そして人の倒れる音が遠ざかろうとしていた時、
「逃がさないよ♠試験は始まったばかりだ。」
人が私たちの前を横切った。足が止まった。
「あとは君達四人だけ♦後は全員不合格だよ♣️」
「おい!分かれて逃げるぞ!」
横切ってきた男が言った。
「俺達にはあいつには勝てない。せーので行くぞ!……せーの!」
私は走り出した。ヒソカに。
「最初は君かい?♥だけど、君は後でね♥」
「へ?あれ?どこいった?」
いきなり目の前から消えたヒソカ。その時後ろからレオリオの声が聞こえた。
「俺は逃げるのはしょうに合わないんだよ!うおおおおお!」
嫌な殺気がレオリオに向けられる。………間に合わない。
「ん?あれ?」
殺気は消えて、何故かゴンの気配がする。
「ゴン?なんでいるの?」
「友達を助けにきたんだよいい子だよね♥」
「ヒソカ!?」
霧の中から現れたヒソカは私を抱き抱えた。
「のわっ!!なにする………レオリオ!?」
ヒソカの左肩に抱き抱えられていたのは顔を真っ赤に腫れあがらせたレオリオ。
「生きてるよ♦彼は合格だからね♦君は最初っから合格♥」
「ん?どういうこと??」