第25章 《 side S 》甘い(裏
「しず、お…んっ…むり、もうだめ…」
「俺も、そろそろ……」
ますますはやく腰を打ち付けてくる
大きいのでガンガン奥を突かれておかしくなってしまいそう…
快感に歪むその表情と色気のある吐息は、ますますわたしの興奮を高める
「の中、すげえ、いい…」
「んっ、やだ…きもちい…んぅ、イくっ…」
「やめろ、そんなエロい声、出すな…っ…」
静雄が身体を倒し、わたしをきつく抱きしめながら突いてくる
体勢が変わるとさっきまでと違うところを擦られてめちゃくちゃいい…
「あんっ、も…だめ…あっ、んあっ…!!」
「はぁ…イく、イくっ…」
静雄は私の耳元で小さくうめき声を漏らし、身体をビクつかせた
ゴムを付けていても、静雄のが私の中で脈打つのがわかる
後始末をし、裸のまま私を抱きしめてくれる
たくましい胸筋に顔を埋めると、心臓の音が聞こえた
「なあ、」
「ん?」
「お前のこと初めて抱いた時より、めちゃくちゃ良かった」
照れくさそうにボソッと言う
それがなんだか可笑しくて、「どうしてそう思うの?」と聞いてみた
静雄が黙り込み、それまで夢中で聞こえていなかった雨の音が聞こえ始めた
「あの時より、モヤモヤしてねぇからかな…」
それを聞いてすぐ、静雄が話す“あの時のモヤモヤ”の正体を理解できた
「臨也さんのこと?」
静雄は私を抱きしめたまま、優しく頭を撫でてくれた
「俺さ、初めてお前見た時、すげえびっくりした。こんなに純粋で良い奴そうで可愛いのが臨也のもんってのが気に入らなかったし、一目惚れとかしそうに、…」
そこで言葉を詰まらせ、再び私を強く抱く
「出会ったその日に“ゆっくり話しませんか”、なんて勇気あるだろ
そんだけ嫌だったんだよ、お前が臨也の手駒になるのが。
ひと目見ただけで可愛いって思って、話してみたら人を疑うことを知らねぇようなお人好しで、
だから人を騙すような臨也からは、俺が守ってやらねぇとなって」
あまり口数が多くない静雄の…真の気持ち
ボソボソとゆっくり話すのを、何も言わずに聞いていた
ああ、なんて良い人なんだろう
疑わしい点なんて何もない
臨也さん、貴方に比べたら彼はよっぽど真面(まとも)かもしれない
貴方の元に戻る気は、だんだん無くなっていく