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【デュラララ!】究極選択Ior S

第3章 赤い瞳



「」

その言葉に反応し、恥ずかしくて上げられなかった顔をやっと上げた

なんて綺麗な瞳なんだろう…

この人のものになりたい
一目惚れにも似たような感覚だった

赤い目が誘ってくる

もっと触れてほしい。でも焦らされる。
これ以上は触ってくれない。

耐えることができず、何もせず肩から下がっているだけの私の両腕が動く

その手が、指先が、臨也さんの頬に触れる

「綺麗な目…」

愛おしい。
もっと触れていたい
今はただそれだけ

無意識に言葉が出る

「‘‘私…臨也さんのこと…”



髪に触れていた彼の右手が、突然私の口を塞いだ

目は変わらない。なにも変わらない。

怒っているようでもなく、何も訴えかけてこない

無表情


でも次の瞬間、それは悲しげになる

「泣かないでよ…」
少し震えた彼の声

いつの間にか右の頬にあたたかいものが伝う

「ごめん。俺が悪かった」
それは今までの口調と違う、とても低い声だった。

どうしたんだろう

口を塞がれたことが、言葉を止められたことが、
自覚もなくショックだったのかもしれない

分からない

どうして私は泣いているんだろう?

いくら考えても答えは出ない。
今自分の中で起こっていることの理解もままならなかった

「ごめんなさい、私、臨也さんに謝らせる気なんて…」

背中にまわされた彼の両手
それは優しく私を包み込む
抱きしめられる。

その力は段々強くなって、苦しくなるほどに…

もっと触れてほしいと思ってた
それがこんな悲しい雰囲気で叶ってしまうなんて。

「俺が悪い」

私を抱きしめて、顔を首元に埋める彼

さっきまでならドキドキしていたと思う
でも今はその行為が何故だか切ない


辛さが滲み出てくる背中を優しく撫でた

「私は大丈夫…です…」



彼はこう思う

自分の決意は固いはずだ

利用してやろうと思ったのも間違いない

自分が人間に心を変えられるなんて信じられない

人間の心を操って遊んでいたのだから

もっと彼女を傷つけなければ、自分が自分でなくなる。

でもそれはできない

を傷つけることを臨也は拒んだ

臨也が人を抱きしめたのは初めてに等しいのかもしれない

ただはっきりしていたのは、その行為に込められたのは間違いなく…

間違いなく、愛だということだった。
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