第23章 《 side S 》寂しがり屋さん
「何着ていくのかってそんなに迷うもんなのか?」
「いやいや、なんだかんだで初デートなんだよ?そんなにすぐ決まらないよ…」
いつもバーテン服の俺には分からない
こういう日くらい私服の方がいいのかと思ったけど、なんか恥ずかしくてやめた
服に悩むは見ていて面白い
…面白いというより、嬉しいのかもしれない
俺とのデートでそんなに張り切って服を選ぶが、可愛い
「なあ、お前なら本当になんでも似合うぜ」
それはお世辞でも何でもない、心からの本音だった
照れてるのか、俺の顔を目を丸くして見る
「ごめ、ん、早く着替えて出かけよっか…!!!ごめんね、待たせて!」
そう言うとは慌てた調子で服を持って寝室に駆け込んだ