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【デュラララ!】究極選択Ior S

第23章 《 side S 》寂しがり屋さん



今日の静雄は、わたしから全く離れようとしない

それは今現在も。

水によって冷たくなる手とは真逆に、背中は静雄の体温でぬくぬくだ


「別に動き辛くはないんだけど、……ね?」
「文句あるなら俺にやらせろ」

私の背後から、右手に持っているスポンジと左手に持っている皿を取り上げようとしてくる

「文句あるのは静雄でしょ?そんなにかまってほしいなら正直に言えばいいのに」


その言葉によって沈黙の時間が始まった

今日の静雄は何を考えてるんだろう…


「ああ、かまってほしいさ。洗いもん終わったらすぐ俺の相手しろ」

背中にぴったりひっついていた静雄は私のそばから離れ、リビングに向かおうとした


やられた

静雄の格好良すぎる甘え方にやられた


『相手しろ』だって。
甘えてるのに命令口調…

本当に、可愛い彼氏を持ったと思う


「何ニヤニヤしてんだ」


いつもの深い声でそう言うと、水道をひねって私の手を洗わせようとする

「ちょっと、洗い物途中…」
「関係ねぇよ」


早く甘えたいってことなのかな

手に持っていたスポンジと皿を置き、大人しく手を洗った


しっかりと手を拭いて、2人で向かった先はカレンダー


「休みの日に丸つけろ」と言って渡された一本のペン

それを使って確定している1週間先までの予定を書き込んだ



明日と明後日に書き込まれた丸を見て、静雄は「やっぱりな」と呟く


「どうしたの?」と聞く前に、私の手からペンが取り上げられる

無言のうちに書き込まれる丸


「明日と明後日、俺も休み」

「………ほんとに?!」


嬉しい。静雄と休みがかぶった…


「やった…」
無意識のうちに発せられる声
無意識のうちに、静雄の背中にまわる私の腕


力一杯彼を抱きしめた



「っ……!」
「出かけようよ!デート!!デートしようよ!」


そんな私の頭を優しく撫でて、
「そうだな」と言ってくれる


どんな顔してるんだろうって、見たい気持ちもあったけど
今は彼を抱きしめることだけが幸せだった




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