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【デュラララ!】究極選択Ior S

第21章 《 side S 》 池袋の人々



「ああ、やっぱり買いすぎた……」
そう心の中でつぶやいた

場所は池袋の某スーパー前

いっぱいに入った袋が、まさかの3つ


それに、5月上旬ってこんなに暖かかったっけな……

行き交う人々はカーディガンを脱いで手に持ったり、長袖のシャツを捲り上げたりしている


私は渋々足を進めた







こうやって大荷物で池袋の街を歩いていなければ、この出会いは無かったんだろうなと思う………


「あのー…」

一台のワゴン車の前を通り過ぎようとした時だった

声をかけてきたのは20代前半くらいの男性
明るめの茶髪で、ハーフにも見える顔立ち…


普通なら立ち止まるのを躊躇ったと思うけど、横に彼と同い年くらいの女性がいることに安心感を覚えた


「ゆまっち、それナンパ?そんな柄じゃないのに勇気だしたね〜」

女性はそう話す


すると彼は少し控えめな声で、
「ダラーズの掲示板、覚えてないっスか?静雄さんと一緒に写ってた子…」と……


”静雄さんと一緒に写ってた子…?”


「あの、それってどういう…」



私がそう問おうとした時、ワゴン車の助手席から黒い帽子の男性が姿を現す


そして私の顔を見て一言…
「お前、もしかして静雄の彼女か?」


「えっ………ええ、まあ……そうですけど……」
両手に荷物を持ったまま、呆然としながら答えた


この人たちはたぶん、静雄の友達だ
黒い帽子の男性が発した“静雄”という発言には、どこか親しみがあった



私が出した返事を聞くと、例の2人は顔を見合わせて私の荷物を見る


「お昼はもう食べた?」

「いえ、まだです…」

「乗っていいっスよ!ね、門田さん」

「おう、乗れ乗れ」



「怪しい人とかじゃないから、安心していいよ」という女性の言葉を信じ、私は車に乗り込んだ


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