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【デュラララ!】究極選択Ior S

第21章 《 side S 》 池袋の人々




「じゃ、行ってくるわ」
玄関のドアを開けようとしている静雄は、私の目を見て微笑む

「いってらっしゃい」
私が背伸びをすると、先を見据えたように静雄が少し屈んでくれる


頬に触れるだけのキスをする



「頑張ってね」

「おう、ありがとな」


なんだろ…いつもより静かな2人



今日は私のバイトが休みで、静雄は相変わらず仕事

なにをしようか考えた結果、家事をすればいいかな…ということになった

ついでに部屋の掃除もしておこうかな



静雄を見送った後、まだ少しだけ残っていた眠気に気圧されてベッドにダイブした


静雄の匂いだ…
思わずうっとりしてしまう


私はキュッと布団を掴んで、数秒間そのままでいた


このままだと寝ちゃうよね……

無理やり体を起こして目を覚まさせる


ええと……
午前中に洗濯物を済ませて、昼は買い物に行こう

私の昼食と、晩ご飯の買い出し…

晩ご飯はビーフシチューだから、牛肉とか野菜とか買わなきゃ


そういえば静雄って苦手な野菜とかありそうだけど、なんでも食べれるのかな?

そう思って、静雄がにんじんを避けて食べるところを想像してみた


自然と笑みがこぼれてしまう



私は洗濯機を回してケータイのメモを開き、キッチンに向かうと冷蔵庫を開けた

…静雄って、私が来る前はいつもなに食べてたんだろう?

冷蔵室には食料が少ししかない
野菜なんて無いに等しい…

対照的に、冷凍室は隙がない


そうか、冷凍食品やインスタント食品が多かったんだ…

煙草も吸ってるし、少しは健康に気を使ってもらわなきゃ


私がいる間はバイトが遅くない限り、できる範囲で手料理しよう


じゃあ食材は、1週間分くらいを想定したほうがいいかな
なにを作るかは決めてなくても、野菜は大概使うだろうし…

少し多めに買っておこう


ケータイのメモは文字で埋め尽くされていく


一人暮らしを始めたばかりの頃は、こうやって食材の計画を立てるのが面倒で仕方なかった

でも今は違う

やっぱり誰かと食べるご飯は特別。


静雄は優しいから、なにを作っても喜んでくれそう

だから笑顔を想像してしまう


たぶんそれは現実になるだろう

考えただけで頑張れる…



私は1人掛けのソファに腰掛けて、静雄にメールを打った



“晩ご飯、楽しみにしててね”



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