第17章 直接対決
「やだな、そんなに怒らないでよ。
うん、今2人で家にいる
君も来て欲しいんだけど
…分かった、鍵壊さないでね」
紅茶をちまちま飲みながらそれを聞いていた
「怒らないで」って…
静雄がここに来たらどうなっちゃうんだろう
テーブル、一つくらい壊れるんじゃないかな…
「気持ちは定まった?」
そう聞かれて、首を横に振った
私に向けられる穏やかな笑み
とても素敵だけど、今はそんな表情して欲しくない
もっと悲しそうにして欲しいな……
複雑な気分になって、ティーカップをそっと置いた
「考えがあるんだ」
「…考え?」
いい予感も悪い予感もしない
「その“考え”って、どんなのですか?」
そう尋ねると、手に持っていたケータイをデスクに置いて、私が座るソファへと足を進めてくる
「今は言わないよ。彼奴が来たら言う」
「そんなことだろうと思いました」
2人でソファに座るときは相変わらず彼が右
いつもと同じように座ってくる臨也さんに微笑む
私の右手に重ねられる、彼のあたたかい左手
「は俺が幸せにする。絶対に。」
その言葉の後に臨也さんがしてくれたキスは、なんだかとても幼くて、純粋で、初々しくて…
初めてキスをする男の子みたいに、不安そうだった