第12章 静雄さん
「よう!!」
片手を上げ、ニコニコと子供のように微笑んでくる青年
レジを挟んでの前に立っていた金髪のバーテンは、紛れもなく平和島静雄だった
「え…えっと…」
昨日静雄とは夜道で会った
会ったというよりかは、気まずい雰囲気で話をしたという方が正しいかもしれない
どうしてこんなにもあっさり話せるのか、彼女には疑問でしかなかった
吃るを前にして、静雄は
「あー、もう大丈夫だ、吹っ切れたからよ」
と、作り笑いのようなものを浮かべる
「お前とは普通に仲良くしてぇんだよ
いい奴そうだしな」
は何とも言えない気持ちになった。
突き放された感じがした
“彼は私に対してどういう感情を抱いているのか……”
臨也という男がいながら、その宿敵である男を気にかけてしまう
彼女は自分を情けない人間だと思った