第11章 再び
その日の夜、私は先にベッドに入っていた
部屋の照明を消して枕元のランプの灯だけを残した臨也さんは、私と向かい合わせになるように寝て布団をかぶる
そして彼は、優しく私を抱きしめた
右手は背中に回され、左手は優しく頭を撫でる
無言で。
お互い、一切声を発さずに。
重たい空気が部屋中を包んでいた
同じベッドで寝ることになってだいぶ経つけど、こんなことはあまりなかった
ベッドの中で抱きしめられるのなんて稀だったし、ベッドの中じゃなくても抱きしめられることなんて本当に珍しい
やっぱり静雄さんと話したのは、臨也さんにもバレバレなんだろうな
どんなに強く抱きしめられていても、静雄さんのことが気になってしまう
それに変わりはない
一連の会話の後に無言で去っていった彼
引き止めたくなったけどそれをしてはいけない気がして。
遠くなっていく大きな背中は、どこか悲し気だった。
あんな姿を見てしまえば、静雄さんを気にかけずにはいられない
少しでも私のことを考えてくれていたのだと思うと、すごく切なくなった
臨也さんの鼓動がトクトクと音を立てるのを聞きながら、臨也さんの温かい両腕に包まれながら、
私は静雄さんを想った