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【デュラララ!】究極選択Ior S

第5章 関わるな


俺は結局、仕事には出れますと答えたのに休むことになった

トムさんの気遣い

「なんかあったら言えよ〜」

と手をひらひら振って、
池袋の人混みに紛れて行った



13時。
いや、まだ早い
まだ早いというか30分くらい早い。
かなり早い…

仕方ない、待ち合わせに早く行って損はないからな

足が重たい

なんでこんなに、あの女に世話を焼きたがるんだか

放っておけばいいのに

まあ、ノミ蟲が被害者を出すのもイライラするしな

それに、その被害者が結構可愛いことにもイライラする…

ああイライラする!!!!!
持ち帰り野郎……
次会ったら殺してやる……

「あの!!!静雄さん…」

夢中でいろんなことを考えていたら、
後ろから大きな声が聞こえる

あのイラつくVネックが目に入った

「さっきから何回か呼んでたんですけど…」

「ああ、すまん。」

ムカつく…理性が働かなくなりそうだ…
落ち着け、こいつは被害者だ。

「今から休憩なんだよな。悪りぃな」

自分の中にある、ほんの少しの善を含んだ声を振り絞る
少しでも気を抜けば暴言が出そうだ…


俺らは誰も座っていないベンチを見つけて座った


しばらくは気まずかった

お互い何も話さないどころか、
女はずっとパンをむしゃむしゃ食ってやがる

休憩だから当たり前なんだが。

「手前、名前なんて言うんだ」

「です… です」

その声からして、なんとか話せそうな雰囲気だと思った

数時間前にレジで話した時よりも穏やかだ

話を切り出すタイミングは今しかないと思った

「お前、ノミ…いや、臨也のこと、ちゃんと知ってっか?」

の顔が下がる

もぐもぐしていた口も止まった

数秒後にまた動きは元に戻って、
パックジュースを口にした

「静雄さんなら相談してもいいかな」

それまで強張っていた口元が少し緩む

「臨也さん、私から見ればとてもいい人なんです
私のことをすごく気に入ってくれて…」

俺を恐れる表情とか、悲しそうな表情とか、
そんなんばっかり見てたから…
の嬉しそうな表情を見るのは初めてだった

「でも、何か違う気がするんです」

ああそうだ、その通りだ。


今のこいつなら分かってくれる気がする。

俺が、話してやらないと…



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