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【デュラララ!】究極選択Ior S

第28章 《 side S 》 時間の使い方




「ごめんない」

慣れないムード
気まずいムード

こんな感じになったのが初めてですごく怖い

怖いのは静雄が強いからじゃない

恋人として、突き放されるんじゃないかっていう怖さ



「ごめん…」

ひたすらごめんを繰り返してしかない
馬鹿っぽ……

そんな自分が情けなくて、またごめんって言いそうになる



「怒ってねぇよ」



「え?」



どう考えても怒るところだし、“怒ってねぇよ”が幻聴にしか聞こえない




「怒ってねぇって」


「…ん?」



「だから!!」


ケータイは勢いよく閉じられて大きな音を立てた

壊れてないか心配になるくらいのボリュームで。



そんなことを考えているといつの間にやら倒れる身体

真上にある静雄の強い視線

「俺がめちゃくちゃを大切にすれば、俺んとこ来てくれるんだろ?」

肩に腕が回されて、声がぐっと近くなる


「そんなら大切にするって。だからお前は俺んとこに来てくれるって。」


イコールで結ばれた言葉


大切にする。
静雄の元に。


大切にされた方に行く、それが定めだ

でも、天秤にかけてはっきり答えが見えるわけじゃない

どちらがよりわたしを大切にしてくれたかなんて、大差なければ分かるわけない


その時わたしはどういう判断を下すんだろう




「?」

「ごめん…」

「もう謝んなって」


それまでの険しい表情とは裏腹に、柔らかい声と仕草

わたしを包み込む手はそれこそ「大切にする」という気持ちで溢れていた


「旅行、行こうな。カニ食べような。」


「うん」


臨也さんへの愛しい気持ちがあれば、今そばにいる彼を抱きしめ返しはしなかっただろう


「俺、何が何でも悪いことは考えないって思ってたのにさ。
とこの先もずっと一緒にいれるって考えるようにしてたのにな…
ごめんな。変に怒っちまって。」


「いいよ、仕方ないよ」



静雄だって不安なんだから。

いや、わたしなんかよりずっと不安なんだから…


仕方ないよ、わたしが悪いんだから。


いつまで経っても罪悪感は消えないや。



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