第3章 技術
疑問に思う事が大量にあったが1番聞きたい事をリヴァイは言った。
「ユカ、地下街では何を使ってアンカーを操作したんだ?」
すると真っ直ぐと目線をリヴァイに向けて話した。
「これ」
そう言って指を指した物を見て4人は安堵しながら地面に座った。
ユカが指を指した物は紛れもないガスが入った容器だ。
「それを使っていたという事はガスを使っていたという事だな」
リヴァイはエルヴィンに視線を向けながら言うとエルヴィンは頷きながら答えた。
「間違いないだろう。
中に入っているのがガスだと知らなかったと考えたら辻褄は一応合う」
リヴァイとエルヴィンのやり取りを不思議そうに見つめるユカを余所に4人は話し始めた。
「ガスの件は解決したとしてだ…さっきハンジが見た事は本当なのかい?」
「うん。
普通ならガスを吹かして勢いをつけながらアンカーを巻き取って、巨人のうなじを削ぐでしょ?
でも、さっき見たユカの動きは普通とは全く別物。
アンカーを巻き取るまでは同じだけど、勢いの付け方は元々のスピードを利用している様に見えた」
ハンジがそう言いながらミケを見ると、ミケも頷いた。
「なるほど…」
ハンジとミケの見解を聞いてエルヴィンは少し考えてから口を開いた。
「ユカ、君は地下街に居た時に誰に立体機動装置の使い方を教えて貰ったんだい?」
「教えて貰っていない」
そう答えるユカを見てリヴァイは思わず舌打ちをした。
「俺と一緒じゃねぇか」
「確かにそうだね。
でもまぁ、頭の回転が速い人にとっては直ぐに使いこなす事は出来る。
後は身体能力が優れているか…って所だが…」
「あんだけの技術があるんだ。
身体能力なんてそこら辺の奴らと比べたら格段に上だろ」
「そういう事になるね」
エルヴィンは微笑みながらユカを見て立ち上がると模造を手に取り、また何かを考えている。
(こいつは…間違いなく俺の妹って事か…)
リヴァイは俯きながら考えていた。
出生記録に両親の名前が書かれていないのは普通では無いが、それはリヴァイ自身も同じ事だった。
自分の姓を知ってはいたが出生の秘密を知られたくない為、黙っていた。
だがユカによってエルヴィンしか知らなかった姓をハンジとミケにも知られてしまった。