第4章 おまけ
「エルヴィン助けてくれ!」
あれから1年後リヴァイは毎日叫びっぱなしだった。
「どうしたんだい?」
執務室で仕事をしているエルヴィンの元に全力で走りながらリヴァイは助けを求めた。
「ユカを止めてくれ!」
「そんな事を言われてもなぁ~」
「兵長!
仕事が山積みです!
今すぐ執務室に戻って下さい!」
ユカはすっかり慣れた様子でリヴァイを追いかけて執務室へ入ってきた。
「今日は非番だ!
少しぐらい寝かせろ!」
「駄目です!
兵長は兵士の見本となる人。
サボるなんて事をしたら、他の兵士の見本になりません!」
「だから今日は非番だって言ってんだろ!」
「昨日終業時間を待たずに仕事を止めたのを覚えていないんですか?」
「しょうがねぇだろ!
俺だって体調が悪い時ぐらいはある!」
リヴァイとユカが言い争っている部屋の中でエルヴィンは笑っている。
たまたま居たハンジとミケも2人の光景に思わず笑ってしまっていた。
「最初はどうなるかと思ったけどユカもなかなかやるねぇ~」
「リヴァイを操れるのはユカしか居ないな」
そう話しながら2人が格闘しているのを口を出さずに見守る。
「エルヴィン!
今すぐこいつを補佐から外してくれ!
俺の体が持たねぇ!」
「ユカの言っている事は私は妥当だと思うよ?」
「くっそ!」
微笑みながらエルヴィンが答えるとリヴァイは何も言わずにそのまま執務室を全速力で出る。
ユカは女とは思えない速さでリヴァイの後を追って出て行った。
「まぁリヴァイと同じ血が流れているからね~」
「性格はリヴァイ以上に真面目だな」
「リヴァイも一応真面目だが、休日返上で仕事をさせようとするユカも凄いね。
姿を見ただけで震え上がる兵士も居るっていうのに」
3人は笑いながらリヴァイとユカの様子を面白そうに話した。
「ユカをリヴァイの補佐にしたのは正解だったな」
エルヴィンは満足気に言いながら、また書類に目を落とした。