第3章 技術
「とりあえず行くか」
リヴァイはそう言って兵舎敷地内にある木々が生い茂った訓練所へとユカを案内した。
後ろからは幹部全員が勢揃いで楽しそうに話しているので、道中での他の兵士の注目を浴びるには十分過ぎる光景だ。
到着するとハンジとミケが森の中へと消えて行き、エルヴィンが予めたてていたのであろう訓練内容を説明し始めた。
「今日は君が立体機動装置をどのぐらい使いこなせるのかを見ようと思う。
ハンジとミケが巨人の模造を操作するから、それのうなじをブレードで削いでくれないかな?」
そう言うとユカは頷いてそのままアンカーを近くの手頃な木に刺し奥へと消えて行った。
それを追う様にリヴァイとエルヴィンが後ろを追いかける。
が、一向にユカの姿が見えない。
「リヴァイ、全力で追いかけてくれないか?」
「分かった」
リヴァイは言われた通りにガスをいつも以上に吹かして全力で進んで行った。
すると途中で巨人の模造とハンジの姿を発見して、速度を落として木の枝に着地するとハンジは何故か息切れして地面に座っているのが見えた。
「ハンジ、どうかしたのか?」
巨人の事を話す時以外は滅多に息切れしないハンジを見て話しかけると、いきなりハンジが叫びだした。
「すごぉぉぉぉぉぉぉい!!!!!
凄いよ!リヴァイ!!!」
「説明しろ」
興奮しているハンジを目の前にして冷静に聞くと完全に顔が紅潮しているのが見えた。
「ユカの実力は本物だよ!
ちょっとフェイントを入れて来た瞬間と同時に模造を上げたら、一瞬でうなじどころか頭を切り落として、それでそれで…」
途中まではどうにか説明しているが完全に興奮しているハンジは全てを説明する事が出来ないでいる。
リヴァイは直接模造を見ようと地面に下りて模造を見て一瞬たじろいだ。
(ハンジが興奮するのは当然かもだが…これは…)
目の前の模造を見ながら愕然とした。
言葉が出ないでいると後方からエルヴィン、そして前方からミケとユカが近づいてきた。
ミケに至っては何かを持っている。
「どうだい?
って…これは…」
エルヴィンはハンジの横に倒れている模造を見て言葉を失った。
「そっちの方が凄い事になっているな」
ミケが冷静に言いながら持っていた物を地面に置いたのを見て視線を向けると…