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謎の子

第2章 関係


「ちょ…ちょっと待ってよ…本当に妹なの?」

ハンジは明らかに動揺した声でユカに話しかけると、顔を合わせる事はしないがしっかりと頷いた。

それを見たエルヴィンは突然山の様に沢山ある資料の中から一束取り出し、パラパラをページをめくっていく。

「これか!」

あるページで手が止まり、エルヴィンは食い入る様に資料を見ながら読み始めた。

「ユカ・アッカーマン。
正確な誕生日は記載されていないし、両親の名前も記載されていない…変だね。
産まれたってだけ書かれているだけだ。
年は…12年前か」

「12年前に産まれたとしても、産まれた日どころか両親の名前もねぇのは普通じゃないな」

「リヴァイ、君は両親の事を覚えているかい?」

「覚えてねぇよ。
餓鬼の時に家を飛び出してから名前以外は全部忘れた」

それを聞いてハンジはため息混じりに口を開く。

「あんた…どんだけ都合の良い頭してるの…」

「生憎、お前程じゃねぇがな」

皮肉な言葉に皮肉な言葉を被せながら目線をユカのほうへと移すと静かにリヴァイを見つめていた。

「どうした?」

「あなたのお嫁さん?」

「「ぶっっっっ!!」」

突然とんでも無い事を言われリヴァイとハンジは思わず吹き、エルヴィンは大笑いしている。

「ユカ、リヴァイとハンジは夫婦じゃないよ。
仲が良いだけだ」

「…こんな奴と仲が良いとは1回も思った事ねぇよ」

「そうかい?
傍から見たら仲が良い様に見えるんだけどなぁ。
『喧嘩する程仲が良い』って言葉があるじゃないか」

「…勘弁してくれ」

とりあえず心を落ち着かせてリヴァイはまたユカの方へと視線を戻してゆっくりと話した。

「あの男みたいな女は、巨人以外興味無い」

「ちょっと!
それじゃあ私が変態みたいじゃない!」

「実際そうじゃねぇか」

ユカから視線を外さずに答えるとため息が聞こえてきたが、あえて無視をした。

とりあえず今ここにある資料は役に立たないという事だけは分かった。

そうなるとこれからユカの身をどうするかが問題になってくる。

「エルヴィン、これからどうする」

「それなんだが…1つ提案を思いついたんだよ」

微笑みながらエルヴィンがユカに近付き、しゃがみ込んで話しかける。
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