第3章 風が招く出会い
「タンバルン~~~~~~?」
「ハイ、重いからね」
「なんだって、隣の国からこんなとこに…」
「ここに来てるのを知ってる人で、タンバルンには居ないはずなのに…」
不思議に思いながらココナが籠を受け取る。
すると、配達人の青年の言葉に驚いた白雪が、「え!?」と持っていた本を落として、慌てて走り寄りココナの持つ籠を見た。
「白雪?」
ゼンが声を掛ける。
白雪はある物を見て目を見開いた。
「……!それ…、私が切った髪を束ねておいたリボンと同じ…」
「「は!?」」
「籠の中…、見てもいいかな」
「あ?ああ…」
ゼンに許可を貰い、白雪はそっと籠にかけられた布をはずす。
その下からは……。
「林檎---…」
真っ赤な林檎が沢山入っていた。
++++++
配達人の青年を帰らせたゼンは、ココナと、戸惑った様子の白雪を先に家の中にいれる。
白雪に事情を聞く為だ。
そして、どこからか戻ってきた木々とミツヒデを伴い2人が待つリビングへと向かう。
「……お前らつけてたな」
「何のことだ?」
「…バレバレなんだよ」
「護衛だよ。護衛」
「ふぅ。まぁ、いい」
この2人はこれが仕事だ。
…それより、気になるのは白雪が驚いた真っ赤な林檎と、贈り主。
「タンバルンからの知り合いにしては驚きすぎだよな。なんかわけありだと思ってたが…」
「やっぱり何か隠してたんだね。白雪」
「とりあえず、白雪に全部話してもらわないといけないな」