第3章 風が招く出会い
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「…白雪はやっぱり、怪しい人じゃあなさそうだな。木々?」
「それどころか、ゼンは相当気に入ってるね。ココナも…。でも、あの子は無意識に人の根底を見る。その子があそこまで白雪に対して接してるってことは、大丈夫かもしれない」
少し離れた木の上から様子見をしていたミツヒデと木々。
ゼンとココナが、出会ったばかりの白雪と楽しそうに談笑している。
「気にしすぎだったかな」
「だな。捕まっちゃって災難かなー。白雪の方は」
ゼンは警戒心の強い方(かた)。
それは己の身分からか、身に付いたものか、もともとの気質か。
対して、ココナはゼンの幼馴染みだが一般人。
先ほど木々が言ったように、ココナは人の根底を無意識に見るところがある。
その2人が白雪に対して持っていた警戒心をだいぶほどいてるのだ。
けど、ゼンはまだ完全にはといてない。
自分達は特に……。
歩き出した3人は、会話の内容からして家に戻るようだ。
気配を気付かれないように3人を見守り、追い掛けた。
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ココナ達は家に着くと、玄関前に1人の青年が立っていた。
「誰だろ?」
「…この家に何か用か?」
「タンバルンから届けものだよ」
見たことない人にココナは首を傾げ、ゼンは青年に近づくと、青年は持っていた籠を持ち上げる。
どうやら配達人のようだ。