• テキストサイズ

雪灯りのうた【赤髪の白雪姫】

第3章 風が招く出会い



「サンキュー、ココナ」

「どういたしまして。そういえば、白雪って森に慣れてるの?」

「え?どうして?」

「うーん…なんとなく。身軽に動いてるから」

「そうかな?あ、でも私は薬草の勉強で、山と森には慣れてるからそれでかも」

「なるほど」

「ふーん」


なおされた包帯の腕に触れるゼン。
白雪は木漏れ日の森を見上げる。


「街中とは違う時間と空気の流れがあって、居心地もいいしね」

「ああ、それわかる」


ゼンは自分もよく森などに行くため、気持ちがよくわかる。
城の中にずっといると息抜きをしたくなるから、たまに森に行くと落ち着くのだ。
白雪の言葉にゼンは素直に言葉を返していた。
一瞬きょとんとした白雪が、笑顔で嬉しそうに笑った。


「今のは素直だね?」

「!」


図星なのか、白雪の笑顔に照れたのか、ゼンは顔をさっと赤らめる。
その様子に、ココナはクスクスと「私も居心地いいから好きなんだ。一緒だね」と笑う。


「うん。一緒だ。…痛っ!?」

「!」

「白雪!?」


突然の大声に驚いた2人は白雪に近寄る。


「どうしたの?」

「髪が…」


髪?と2人は白雪の言う場所を覗く。


「白雪、髪が木にひっかかったんだね…。痛そう」

「なんかおい、一束だけ長い髪があるぞ?」

「え?いたたた…」


後ろ髪に触れると確かに一束だけ長い。
白雪はうまく切れてなかったのか、と溜め息をこぼした。






/ 45ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp