第3章 風が招く出会い
「…わ…ぁ。初めて飲んだけど、とても美味しいです。これ薬草ですか?ココナさんって詳しいんですね」
「ココナで良いですよ。敬語もいりません。えっと、母が薬剤師なんです。だから、生まれたときから薬草や花などに触れてて」
「へぇ…。あ、じゃあ、ココナも薬剤師なの?」
「……いえ。違います」
白雪の言葉に一瞬ココナの動きが止まるが、すぐに笑う。
「そうなんだ。詳しいからてっきり…」
「白雪さんは薬剤師なんですよね。凄いです」
「え!いや、そんな…」
笑顔で誉めるココナに、照れたのか隠すように紅茶を飲む白雪。
「「「…………」」」
2人が楽しそうに話す姿を見つめる。
しかし、3人は白雪の言葉に一瞬動揺したココナを見逃さなかった。
「(…ココナ、やっぱりお前…)」
ゼンは小さく溜め息をもらした。
「ね、ゼンも気になるよね?」
「!…何がだ?(やばい…。聞いてなかった)」
「白雪が家出した理由。教えてくれないの」
「だから、ココナが聞いても面白くないってば」
「面白さは求めてないよ。心配で気になるんだもん。ね?」
いつ座ったのか、ゼンの隣にココナが座って白雪と会話をしていた。(白雪、ゼン、ココナの順)
ココナはゼンを見る。
「いつの間にか仲良くなってるし…。まっ、でも俺も気になってたんだ。どうして家出したんだ?」