第3章 風が招く出会い
「ココナ手伝うよ」
「あ、木々さん。ありがとうございます。あとは運ぶだけです」
「わかった。ティーセット運ぶね」
「はい。お願いします」
ココナはお菓子を手に木々と共にリビングに入る。
テーブルに置いてくれた木々に礼を言い、ココナは全員分の紅茶を淹れ配った。
赤髪の少女は初めてのかおりに目を細める。
「うわぁ…いいかおりですね…」
「えへへ…。ありがとうございます。そこで採れた葉でブレンドしたものなんです」
「え!?そこの庭のですか!?」
「はい。疲れに効く効能があるんですよ」
「へぇ……」
「さぁ、冷めないうちにどうぞ。……えっと……」
そういえば名前を知らないなと困っていると、察したゼンが「さっき自己紹介したんだ。こいつは白雪って名前」と白雪を指さした。
「白雪…さんですね。ゼンから聞いてるかもしれませんが、私はココナといいます。よろしくお願いします」
頭を下げ控え目にふんわり笑う。
すると白雪の頬がほんのり紅くなった。
「…………か、可愛い……」
「え?」
「あ、いえ!すみません!いただきます!」
わたわたと手を振り、紅茶を一口飲んでみる。
白雪の様子にココナは首を傾げ、ゼン、木々、ミツヒデは苦笑した。