第3章 風が招く出会い
「……」
ココナは満足そうに頷く。
ゼンはふっと笑うと、ココナと一緒に立ち上がる。
静かに見守っていた木々がゼンに提案した。
「とりあえず、ゼンの治療をするために中へ入ろうか」
「そうだな。別にここでもいいが……」
「「だめ(だ)!」」(ココナ、ミツヒデ)
「だね。さ、行こうか」
「お前ら…。はぁ…じゃあ行くか。薬剤師どの」
「……は…い?」
「ほら、早く行きましょう」
どんどん話が進み少女は話についていけず、ココナに背を押され家の中に入った。
++++++
ココナが紅茶を淹れてくるとキッチンに消え、ゼンと赤髪の少女は治療の為ソファーに、木々とミツヒデは近くの椅子に座り家にあったチェスを始めた。
「……あの人、綺麗な赤髪だったなぁ」
お湯を沸かしながら、ティーセットとお菓子を用意する。
さっき会った少女の珍しい髪を思い出していた。
「私もあの女の子や、木々さんみたいな髪色が良かったな。…この色も大好きだけど」
そっと自身の髪を触る。
母に似た髪と瞳。
父は銀髪にアメジストの瞳。
「お父さんに似てたら、また違うのかな……」
ふふ…、と笑いココナは沸いたお湯をポットとカップに淹れ温める。
それからお茶の準備を進めていると、木々がキッチンに来た。