第3章 風が招く出会い
それから4人は薬草探しを始めた。
ココナから薬草のことをいろいろ聞きながら、何種類か採取できたことに、ココナを初めゼン達も喜んだ。
楽しそうに持っていた袋に薬草を入れながらゼンと話をするココナに、ゼンは自然と笑顔を浮かべた。
「…なに?」
「なんでもない」
「?」
「さて、薬草も採取したし。楽しんだか?」
「うん!こんなにゆっくりしたの久しぶりっ。ありがと、ゼン、木々さん、ミツヒデさん」
袋の紐をしっかり結び、満足そうに笑うココナに同じように笑う。
「気にしなくて良いよ。ココナ」
「いつもゼンの仕事の手伝いばかりだから楽しかったよ」
「悪かったな。ミツヒデ」
「わかってるなら、城を抜け出すのやめろ」
「無理」
プイッと顔を背けるゼンに、馬に荷物を乗せながら呆れる木々。
注意していたミツヒデは溜め息を溢し、それを見て笑うココナ。
穏やかな夕暮れのなか、4人は今夜泊まる宿へと向かった。
「(夕陽綺麗……。明日も晴れるといいな……)」
夕陽を見上げながら、ココナは微笑んだ。
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次の日。
今日は早めの朝食をとると、4人は昨日の森の少し奥にある空き家へと来た。
空き家になんの用事があるのかとミツヒデが問えば、ゼンは「遊びに来ただけだ」と一言。
「この空き家って、久しぶりに来たね」
「最近来る暇がなかったからなぁ」
今朝はミツヒデの馬に乗ってきた。
先に降りたミツヒデの手を借り、お礼を述べる。
ゼンに話し掛けると、ゼンは乗ってきた馬を近くの木に繋ぐ。
ミツヒデ達も同じく近くの木に繋いでいた。