第4章 今剣
「キャーーーッ‼︎」
ジェットコースターから歓声が響く。キャラクター達が暮らす街を想定して作られたエリアの奥に、この施設4つ目のジェットコースターはある。このエリアは比較的小さな子供向けに作られたアトラクションが多いが、ジェットコースターだけは子供向けと侮ると痛い目を見る。速度こそ一番遅いが、コースが複雑で他のアトラクションとも近く、スリル満点なのだ。
「あー楽しかったーっ‼︎やっぱジェットコースター一つは乗らなきゃね〜」
「はやくてくるくるまわってたのしいですねじぇっとこーすたーって!」
「つーくんも気に入った?他にも色々あるから今日は沢山乗ろうね」
「はい‼︎」
今剣の元気な返事と共にお腹の鳴る音が聞こえた。そういえばと時計を見ると、丁度昼時である。
「つーくんお昼ごはんにしようか。何が食べたい?」
「ぼく、おむらいすがいいです‼︎」
オムライスは今剣が顕現して初めて食べた食事であり、大好物でもあった。
「オムライスね……じゃあちょっと歩くけどあの店にしようか」
「どこへいくのですか?」
「せっかくだから限定メニューを食べに行こう?」
鞄からインフォメーションを取り出しひろげると、とある写真を指差した。
「チキンクリームとハンバーグのオムライスセット、美味しそうでしょ?」
今剣の瞳が輝きを増す。待ちきれないとばかりに駆け出そうとするのを留めて手を繋ぐ。
「それじゃサラおばあちゃんのお店にレッツゴー‼︎」