第4章 今剣
審神者に手を引かれ高い塔のようなものを見上げる。上の方でクルクルと回っている乗り物は飛行機というのだと教えてもらった。
「いまからあれにのるんですね」
「乗り物が動きだしたらレバーを引いてごらん。もっと高くまで上がるから」
「うわぁ、たのしみです」
上機嫌な今剣と待機列の最後尾に向かうと、待ち時間は10分だと案内された。どうやら次には順番が回ってきそうだ。今日も空いている。これなら沢山のアトラクションを楽しめそうだと、審神者は胸をなでおろした。
「たのしかったですね、あねうえさま。とおくのけしきもよくみえました」
「うん、久々に乗ったけど風がきもちよかったー!天気良くて良かったね」
アトラクションの真下にはドリンクやちょっとしたスィーツを売るカウンターがあり、そこでドリンクを飲みながら小休憩をとる。テーブルの上に地図を広げ、審神者は今剣に尋ねた。
「つーくん、次は何に乗りたい?好きなのに乗っていいからね」
「それじゃ薬研のいっていたじぇっとこーすたーにのりたいです!」
「ジェットコースターかぁ……それならせっかくだから薬研も乗ってないのにしようか」
ぱあっと目を輝かせる今剣にいたずらっ子のように笑って、審神者は空いたドリンクのカップを片付ける。今剣も席を立ち、今か今かと居ても立ってもいられない様子だ。
「あねうえさま、はやくはやく!」
「あんまり慌てると転ぶわよ。ジェットコースターは逃げないから大丈夫」
また二人手を繋いで、次のアトラクションへと向かった。