第1章 夢の国へ
食事が終わると、皆テレビの前に集まってきた。早く早く、と急かす短刀達に囲まれながら、審神者は再生機器をテレビに繋げディスクを入れる。軽やかなファンファーレと共に西洋の城が映し出された。
「これは現世にある娯楽施設の催し物の動画だよ。この娯楽施設は別名夢の国とも呼ばれてるの」
そう説明する審神者の言葉も上の空で、刀剣男士達は画面に釘付けである。そこには華やかなパレードの様子が映し出されていた。様々な衣装を身に付けたダンサーや可愛らしく手を振るキャラクターの着ぐるみ達。入れ替わり立ち替わり現れるそれらは刀剣男士達にとって初めて見るものだ。皆声も無く画面に見入っている。音楽が変わり画面が切り替わると、今度は暗闇の中に煌めく何万もの灯りが現れた。灯りは動物や建物、乗り物の形をしており、次々と画面を横切っていく。ほう、と誰かから溜息がもれた。
「綺麗でしょう?実際に見ると本当に感動するよ。こういう催し物の他にも面白い遊具や美味しい食事処、色々なお店が沢山あるんだよ」
「へぇ、綺麗だね」
「なかなか雅じゃないか」
後片付けを終えてきた燭台切と歌仙が合流すると、全員が画面の前に揃った。