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夢と魔法と冒険と

第2章 薬研藤四郎


「フッ、まだまだ甘いな薬研君。さっきのはこの施設にあるジェットコースター三大マウンテンの一角に過ぎぬ。言わば初級編だ」

「ほう……てことはまだまだ上があるってことか。上等じゃねぇか」

薬研もまた口角を上げ目を細める。ソフトクリームは丁度食べ終えた。審神者は携帯用端末を取り出しながら地図の二カ所を指し示す。端末からこの施設のサイトへアクセスしてアトラクション待ち時間を検索した。現在地から近い方が30分、遠い方が50分と出た。

「待ち時間が短いのはこっちだけどアトラクションに乗ってる時間が長いのよね。逆にそっちは待ち時間は長いけどアトラクションに乗ってる時間は短い。でもパレードルートから遠いし……。薬研はどっちがいいと思う?」

「俺っちは姉貴の采配に従うだけだ」

薬研がそう答えると、審神者は5秒だけ沈黙した。うん、と頷くと現在地から近い方のアトラクションを地図の上に示す。

「こっちにしよう。アトラクションに乗ってる時間は長いけど、待ち時間は短いし、パレードの事を考えるとこっちの方が近い。最悪パレード開始に間に合わなくてもここをこう通ればこの辺りで見れるはず」

アトラクションからパレードの開始位置、更にそこから終了位置までを最短で結ぶ通りを指先で辿り、終了位置にほど近い一点を指し示す。薬研はその位置を確認すると、勢い良く立ち上がった。

「それじゃあ作戦決行と行こうか、大将」

「頼むわね、隊長」

地図と端末を鞄にしまい立ち上がると、審神者と薬研は人混みをすり抜けるように消えていった、
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