第30章 明日へ
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2年半の暴虐やらなんやらの後に
有吾と再会して、遊真と出会って…
元の世界に戻ってきたらきたで
城戸さんに、有吾から渡すように頼まれた手紙渡したら…
入隊試験受けるように言われて、全員蹴散らして孤立して…
居場所なんて…
どこにも見出せなくなってて……
でも、秀次と出会って…
姉さんとも一緒に暮らすようになって……
東谷色んな人たちと出会ったりして…
気付けば、たくさんの大切なものができて……
あ~…
それで死にかけたら死にかけたで泣かれて心配されて
傷付けられたら喜ばれるっつー今までの常識が天地逆転して…
自分までもが大切って…
こっちはこっちで
自分が要因で傷付けられたり殺された
『村人』や『親しく接してくれた近界民たち』の
皆の命があんまりにも重くって
潰れそうになってんのに……
あーもう…
精一杯だ、自分ってもんを保つだけで……
いつまでもしぶとく傷がうずきやがってうっとおしい
それで自分は死んでもいいって思ってたのに生きろって
確かに楽しいことを一緒にやって笑い合いたいけれど…
それよりも結構つらいのに、それごと背負って幸せって感じるように
何もない、知っていた全てを失った時よりはマシだって
そう自分でも言い聞かせてきたのに…
痛い、苦しい…
でも、幸せなんだ…それに目を向けないとって……
何で、あの時皆と一緒に死ななかった…
私の代わりなんていくらでもいるだろ…
あの時司令されたのが私だったから出会っただけだろ。
助けることになったのだって、偶然だったりいろいろあったのに……
何でこんな自分を大事にしようとするんだよ…
人を護るために死んだって足りないぐらいひどいことを一杯……」
隅に寄りながら、くらくらとするのも当然というか…;
ちょうどその地点は、昔に住んでいた場所だった;